「ed」過去形








すべてが過去形。何もかもが過去形。



楽しかった。

幸せだった。

好きだった。



…。







「じゃあ、今はなんとも思ってないの?」



そう聞かれればきっと私は迷う。

だって好きじゃなく、ないから。ではまだ好きだと言えるの?…どうかしらね。それも迷う。だってそんな事認めたくない。きっと認めてしまえば私、どうするか分からないから。



マルフォイ家は有名な魔法族で私の家とは正反対。何もかもが正反対。………それでもいいと言っていたくせに。それでも構わないと私に言ってくれたのに。



やはり、あなたは卑怯だわ。卑怯。酷すぎる。

どうしてくれるの。

私、どうしたらいいの。

…それすらも教えてはくれないのね。もう、私なんてどうしようがあなたには関係ないのね。そう、思っているんでしょう?



つまりは、私達の関係は固くなかったという事。

見かけだけはそう見えても本当は弱かった。



私も信じていた振りをして、本当は信じていなかった。すべてが嘘の固まりだったのかもしれない。



…では、好きだという気持ちも嘘だったのかしら。



夢の世界にいたのなら、それすらも嘘だったと言える。…違うわ。それだけはきっと本心だったのよ。すべてが嘘でもその気持ちだけは本心だった。



おかしいな、何でこんな事になっちゃったんだろう。

私が泣くなんてよほどの事がない限りなのに。これはそんなに衝撃的だった、かな。数年間が嘘の固まりだったと知ったから…?







やっぱり、私…



あなたの事……好き、だったわ…。












※別れちゃった、って話なんだけどなぁ…